用語設定解説<三十月神教関係>

クリュース王国の国教三十月神教に関する説明です。神様は全部で三十いるんですが、今のところ出ている神様のみ紹介。あとで増えるかも。

 三十月神教
クリュースの国教。月の満ち欠けに一人づつ神様が割り当てられている。有名なところでは満月が主神の慈悲と創造神でもあるリパ。真逆の新月が意識と眠りの神アルワナ。他に戦いの神アッテラ、予言と千里眼の神クーア、森と狩りの女神ロックラン等がいる。
各神殿に所属する神官達は神殿魔法が使える。また、神官でなくとも信徒であれば下位の術を多少使えるようになる。各神殿は信徒を集める為に神官を育成する学校を開いている事が多く、そこではほぼ無料で勉強が出来るという事もあってその為にクリュースを訪れてそれぞれの神に改宗して神官になる者も多い。
また、クリュースに来て冒険者となる者の中でも、特殊な技能がある訳ではなく腕っぷしに自信がある訳でもない者も神官学校に入って神官になる事が多い。正規神官になると神殿に所属して仕事をする為許可なく仕事を受けたりは出来ないが、準神官ならば冒険者として普通に仕事をしてもいいため冒険者の神官は準神官の事となる。

 神官と信徒
クリュースの国教、三十月神教の神官は勿論、信徒もその神にまつわる神殿魔法を使う事が出来る。ただ当然神官に比べるとただの信徒では使える魔法の種類が少なく、成功率や効果も低くなる。また一番大きな違いは、信徒の魔法は基本自分にだけしか使えないが、神官の場合は他人に掛けてやる事が出来る事である。極たまに本人の保持魔力が高い場合はただの信徒であっても他人に術を掛けられる者もいるが本当に稀である。
どの神も大抵洗礼を受けた後、アイテムや刺青等、その神の信徒である印のようなものを神殿から授かる。リパの聖石(大抵はペンダントにしている)、ロックランのブレスレット(ミサンガみたいなタイプ)、アッテラ、ヴィンサンロア、アルワナの刺青等が有名。

 リパ神
慈悲の神であり創造神。三十月神教の主神でもある。また、司る月は満月である為、円を重ねたようなマークであらわされる。
神官は主に治癒や防御、光に関連する術を使える。いろいろ条件が必要だが蘇生術もある。有名な術として――攻撃を弾く『盾』や一瞬だけ眩しい光を放つ『光』――これらは信徒でも使える者は多い。治癒や、痛覚を麻痺させる術はほぼ神官だけが使える。また、神殿では罪の告白を聞いてくれるが、この時使う術は犯罪者の自白にも使われる事があり、神官でも一部の者しか使えない。邪悪なものに関する結界を敷く事も出来る者もいる。
国内では信徒も一番多い。特に貴族や王族は大抵そうで、国の行事もまずリパ神に祈られる。その為首都に大神殿があり、これは国内のどの神殿よりも一番規模が大きい。慈悲の神であることから殺生や戦いは基本禁じられ、神殿に入るためには武器も防具も身に付けてはいけないことになっている。
年に一度、特別な満月(リパの月)の夜の前後二日を含む五日間にわたって首都の大神殿では聖夜祭が行われる。これは国内最大のお祭り。

 アッテラ神
戦神。神官は主に身体に働きかける術を使う。有名なのは身体の筋力を強化する術や痛覚を麻痺させる術。一応治癒術もあるが体本来の治癒能力に働きかけ治す術なので、術によって傷を直接治癒出来るリパの術とは性質が全く違う。術を受ける人間に患部へと術を誘導してもらう必要があるので、戦闘中の治療は基本的には無理。その代わり体の内部への治療が比較的得意。
基本的にアッテラの術はその術を掛けられる側の人間の体力を消耗する為、元から体力や筋力のある者の方が効果が高く、神官や信徒はとにかく体を鍛える事を求められる。その為、戦士等戦いの強さを求めるものの多くはアッテラ信者である。特に腕っぷしに自信があって国外から来て改宗する者はほぼアッテラ神を選ぶ。また、冒険者を辞めた後、医者になる者も割りと多い。
強化の術は体への負担を調整して何段階かに分けられる。信徒ではたいした強化は出来ないが、神官になれば痛覚を切って最大限まで強化を掛け、化け物じみた強さを発揮する事も可能である。ただしその後に体は当然無事で済まない為、そこまでやるのは死を覚悟した時のみになる。
信徒は体のどこかにアッテラの印の刺青がある。
 
 ロックラン神
森と狩りの女神。
神殿魔法は動植物・天気等、自然に働き掛ける術となる。動物避けの結界を張ったり、天気を読んだり、水を探したり等が出来る。植物や動物と対話出来る者もいるが、人間の意識と違っている為、相手からの答えは漠然としたものになるらしい。
狩人は殆どがこの女神を崇めていて、信徒でも使える術が多い為、神官にまでなる者は少ない。
動物避けの結界は野宿をする場合に有効な為、遠出をする冒険者達のパーティーではロックラン信徒である狩人を入れるのがお約束になっている。
ロックランの結界では弾けないものでもその侵入を知らせる事くらいは出来るため、警備の為に屋敷に結界を設置する仕事をする事もある。ただし、その系の仕事を頼まれるのは相当に信用が高いかお抱えの警備兵として雇われた者くらいで、一般冒険者への依頼はまずない。
信徒である印は手首や腕に結んである組紐状のもの。

 アッテラの強化術
アッテラの強化術はアッテラ神官が一番よく使う筋力を上昇させる術である。術の段階を上げる事によって効果が大きくなり、また持続時間も短くなる。アッテラの術は術者の負担が低いかわりに掛けられる側の体力が使われる為、当然高レベルの術を掛けると切れた時に一気に疲労がくる事になる。一段階くらいなら切れた反動もちょっと軽く走った程度と負担が低い為気楽に使われる。神官ではなくアッテラ信徒の場合、この強化の一段階だけが使える者が多い。というか、この術が使いたくて戦士系の人間ではクリュースに来た途端アッテラに改心する者が多いという。
ちなみに、アッテラの術は基本掛けられる側の人間の肉体に依存するので、もともとの筋力がない人間にどれだけ術を掛けても大した効果は出ない。逆に元の筋力が強い者であれば一段階でも目に見えた効果が出たりする。ゲーム的に考えると、筋力が一律+1とかではなく+○%と計算で増える感じかと。また、同じレベルで掛けても掛けられる側の体力によって効果時間も多少変わる。神官の強化術は高レベルが使えるだけではなく、術の効きのバランスを変える事も出来る。(例:腕や足を特に重点的に、とか)なんにせよ、アッテラの教えはひたすら体を鍛える、といわれるだけはある術の効果である。
 
 ヴィンサンロア神
罪人の神。
罪を犯した者を許し、彼らを守る神。ただし罪を悔い改めていない者は守らない。
元罪人の神官が多い。術は姿を闇の中に隠したりする等、隠れる為や逃げる為の術が多い。ただ、術の全ては術の大きさに比例した痛みが返ってくる為、信徒であっても余程の時でないと術を使用しない。
首都には各神の神殿がいくつもあるが、貧民街にある唯一の神殿である。
 
 ケーサラー神
記録と記憶の神。
神官は物事を丸々記憶する記憶術や、物から記憶を読み取る術が使える。信徒でも簡易的な暗記術が使える為、研究者や文官、吟遊詩人等にこの信徒や神官が多い。
物事の記憶から、将来起こるべき未来の出来事を予知したりもする者もいる。

 クーア神
予言と千里眼の神。
神官は主に心の目と空間に関する術を使う。一瞬前の予知や、遠見の術が使える。離れた場所間の通信や、転送術も。通常の神殿魔法は、どんな者でも神官になれば神官用の術を大体使えるようになるのだが、クーアの場合は術が使えるかどうかは本人の適正によりけり。なので神官になれば千里眼も転送も使えるようになれる訳ではない。適性試験でどの術の才能も引っかからなかった場合は神官にはなれない。ただ、転送術が使える者は大抵千里眼を持っているし、持っていないと一人ではほぼ使いモノにならない。
クーアの転送術は一人ではそこまで遠くへは飛ばせないが、複数人、更に転送先にも術者を置く事で遠い町間転送も行う事が出来る。その為クーア神殿では神殿間の遠距離転送を行ってくれるが、基本は生鮮品や貴重品の転送などで、人間の転送は手間賃が高いし予約が必要だしでまず普通の冒険者は使えない。
適正が必要で限られた者しかなれない、その上術はかなり有用で特に転送要員はいくらでも欲しいし神殿としても金になる、という事で、クーア神官なれれば家族は食うには困らない、と言われている。
 




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